今日は日中が暖かくて、ついつい転た寝してしまった。何も気にせず好きな時間に好きなだけゆっくり眠る事。誰にも指図されず自由意志で。これは至福だ。いつかの夕暮れのこと。世間には、そういった生物として当り前の権利(生きる為に必要な事なので権利以上ですね)に許されたささやかな幸せにまで土足で踏み入り、否定し、奪おうと監視する狂人で溢れかえっていた。みな変態みたいなもので自分自身の事よりも他人の動向が気になって、危うい世間様を傘に歪で怠惰な体を揺らしながら”本来より清い者”を嗄声で罵倒する。そんな彼の呼吸を苦痛で満たすなにか。その苦痛の存在には、恐らく気が付きもしていないでしょうし、もはや私が幾度となく熱心に幾手を説明し、恐ろしい状況からの回復を促しても、彼らはまだ煉獄に見入られ助ける事も優しく整える事も拒絶し、何故自己が彷徨うのかすら解らず、ただ垂れ流された世の猛毒を汲むだけの器と化し、亡霊のように虚ろな日々を正当化し続けている。これ以上の監視は私自身にも毒気を呼びこみ、身を滅ぼしてしまうのだろう。よく分かるぞ。要は同じになってしまうという事。・・・・・・折角、逃げ出せたっていうのに。
病的な思考の虜になった人間で溢れる街は、下品な商業ネオンで怪しく照らされて、まるで誰かに操縦されているかのように、我先にとクリスマス準備に勤しんでいた。私は酒の買い物を済ませ、毒気に操縦されているかのようにタバコを一本ポッケから取り出し火を着けた。紫煙は夕闇と重なり、角のとれた柿色で、会社帰りの人々の喧騒を包むように、緩い円を描いた。この輪の中に穏やかな未来はあるのだろうか?私の前を市営バスがゆっくり通り過ぎると、紫煙は”NO”と形を変えた。ふと晩秋の寂しい風が煙たがるように”NO”をかき消す。その風に身震いした私は、タバコを再び吸い込んだ。フィルターには何故かチン毛が二本ついていた。いやケツ毛かもしれない・・・・・・。もしかしてアイツっ!
つづく(無い)
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